「食べても食べても太れない」という悩みは、多くの人に理解されにくく、一人で抱え込んでいる方も少なくありません。
実は、痩せやすい体質の背景には、胃腸の消化吸収力の差や基礎代謝の高さ、ストレスによる食欲低下など、体の仕組みに関係する要因があるといわれています。
無理に食事量を増やすのではなく、吸収されやすい栄養の選び方や食べるタイミングを工夫することで、健康的に体重を増やすことは可能です。
本記事では、がりがり体型から抜け出し、無理なく理想的な体を目指すための実践的な方法を紹介します。

FRAISE CLINIC統括医師
近澤徹(ちかざわ とおる)
北海道大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院に入職し、臨床経験を積む。その後、名古屋市立大学病院では客員研究員として研究に従事。精神科医として培った鋭い洞察と揺るぎない対話力を基盤に、美容医療においても患者の内面に寄り添い、その「ありたい姿」を確実に形へと変えていきます。
【所属・役職】
- FRAISE CLINIC 統括医師
- 日比谷セントラルクリニック 副院長
- 株式会社Medi Face 代表取締役医師
- 株式会社Legal Doctor 代表取締役医師
- 医療法人伯鳳会 赤穂中央病院
- 日韓美容医学学会 常任理事
- 日本医師会認定産業医
自分が痩せすぎかどうかを確認する

「太りたい」と感じていても、実際に体重を増やす必要があるかは、客観的に判断することが大切です。
まずはBMI(体格指数)を使って、身長に対して体重が適正かを確認しましょう。
さらに、標準体重との差を知れば、どのくらい増やすのが目安かが分かります。
また、数値だけでなく、体調の不調や見た目の変化も痩せすぎのサインになることがあります。これから紹介する3つの方法で、今の自分の状態を多角的にチェックしてみましょう。
BMI値で体型を客観的に判断する
BMI(Body Mass Index)は、身長と体重から算出される体格指数で、世界中で使われている肥満度の基準です。
計算式は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」とシンプルで、誰でも自分の数値を出すことができます。
日本肥満学会の基準では、
- 18.5未満:低体重(やせ)
- 18.5以上25未満:普通体重
- 25以上:肥満
と定義されています。
例えば身長160cmで体重48kgの人なら、48÷1.6÷1.6で計算するとBMIは18.75となり、普通体重の下限に近い数値です。
BMI18.5を下回ると、栄養不良や感染症へのリスクが高まるとされているため注意が必要です。BMI22が最も病気にかかりにくい標準値とされており、この数値を目指すことが健康維持の観点から推奨されます。
ただし、BMIは筋肉量や体脂肪率を考慮しない指標のため、他の判断方法と合わせて総合的に評価することが望ましいといえるでしょう。
標準体重との差を計算する
標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」という計算式で求められます。
この22という数字は、脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に最もかかりにくいBMI値から導き出されたものです。
たとえば身長160cmの人なら、1.6×1.6×22=約56.3kgが標準体重となります。もし現在48kgなら、その差は約8.3kg。これが健康的に増やす際のおおよその目安になります。
155cmの人なら約52.9kg、170cmなら約63.6kgが標準体重です。
ただし、標準体重はあくまで目安であり、個人の体質や生活習慣によって適正な体重は変わってくる点も理解しておくとよいでしょう。
見た目や体調から判断する方法
数値だけでなく、体調や見た目の変化から痩せすぎを判断することもできます。外見のサインとしては、鎖骨や肋骨、骨盤などの骨がくっきり浮き出ている場合、皮下脂肪や筋肉が不足している可能性があります。
服のサイズが合わなくなったり、ベルトの穴が余るようになった場合も要注意です。体調面のサインでは、少し動いただけで疲れやすい、階段を上ると息切れするなどの症状が見られることがあります。
また、
- 風邪を引きやすい
- 傷の治りが遅い
- 手足が冷たい
といった場合、免疫力や血流の低下が関係しているかもしれません。女性の場合、生理不順や無月経といったホルモンバランスの乱れが、低体重によって引き起こされることもあります。
こうした見た目や体調の変化を、BMIや標準体重といった数値と合わせて確認することで、より正確に自分の状態を把握できるでしょう。
太りたいのに太れない原因とは?

なぜ自分は太れないのか。その答えを知ることが、健康的な増量への第一歩になります。
太れない理由は人によって異なるため、自分に当てはまる原因を特定することが何より重要です。
主な原因は、次の4つの観点から考えられます。
- 生理学的要因:基礎代謝が高い、消化・吸収がうまくいかない
- 行動的要因:食事量が少ない、小食の傾向がある
- 心理的要因:ストレスによって食欲が抑えられている
- 生活習慣的要因:睡眠不足や不規則な生活リズム
これらが複合的に関係していることも多いため、自分の傾向を知ることが重要です。
これから6つの代表的な原因を解説します。
基礎代謝が高く消費カロリーが多い
基礎代謝とは、心拍や呼吸、体温維持といった生命活動に最低限必要なエネルギー消費のことを指します。私たちが1日に消費するエネルギーのうち、約60%がこの基礎代謝によるものとされています。
基礎代謝が高い体質の人は、安静時でも多くのエネルギーを消費するため太りにくい傾向があります。特に筋肉量が多い人や若い人に多く見られる傾向があり、筋肉は基礎代謝の20〜25%を占める重要な要素となっています。
その結果、摂取カロリーより消費カロリーが上回りやすく、「しっかり食べているのに太れない」状態になりやすくなります。
基礎代謝は年齢・性別・体格によっても異なり、加齢とともに低下するため、ライフステージに合わせた食事量の調整が大切です。
栄養の吸収率が低い体質
食べた量に対して、腸での栄養吸収が十分に行われにくい体質の人もいます。これは病気による「吸収不良症候群」とまではいかないものの、腸内環境の乱れや消化酵素の働きが低下している場合に見られることがあります。
腸内環境や消化酵素の働きが関係しており、特に腸内細菌のバランスが崩れると消化機能が低下しやすくなると言われています。
栄養素は、腸の粘膜を通過して体内に吸収されますが、このプロセスがうまく働かないと、体重が増えにくくなる原因になります。
吸収不良が起こると、慢性の下痢や体重減少、貧血といった症状が現れることもあります。腸内環境を整えることを意識し、発酵食品や消化を助ける食材を取り入れると、吸収効率のサポートにつながるでしょう。
少食で十分な量を食べられない
少食が続くと、脳が少量の食事でも満腹信号を出すようになり、すぐにお腹いっぱいと感じてしまいます。これは胃の大きさが小さいわけではなく、満腹中枢の働きによるものです。
食べたい気持ちはあっても、胃の容量や満腹感の感じやすさによって、十分に食べられないことがあります。通常、満腹感は食事開始から15〜20分ほどで現れますが、少食の人ではそれより早く感じる場合もあります。
このタイプの人は、食事回数を増やしたり、こまめに少量ずつ食べる工夫をすることで、総摂取カロリーを増やせる可能性があります。
遺伝的な要因で太りにくい
親や家族も痩せ型の場合、遺伝的に太りにくい体質である可能性があります。体型や肥満傾向には遺伝の影響があるとされ、基礎代謝や脂肪の付きやすさに個人差が見られると言われています。
遺伝によって基礎代謝量が1日あたり100〜200kcalほど異なることもあり、大きな差ではないものの、体質的に太りにくい人もいます。
ただし、遺伝は体質の一要素に過ぎず、生活習慣によって体重のコントロールはある程度可能です。食事の量や質、運動習慣、栄養の吸収効率を整えることで、遺伝的な影響を補うことができます。
慢性的なストレスによる食欲低下
精神的なストレスは自律神経の働きに大きく影響し、食欲を減退させる主要な要因のひとつです。ストレスを受けると、脳の視床下部から交感神経が活性化し、胃の血管が収縮して血流が低下します。その結果、胃の蠕動(ぜんどう)運動が抑えられ、消化機能が低下して食欲不振につながるのです。
また、自律神経の乱れによって摂食中枢の働きが鈍くなり、「空腹を感じにくい」「食べると胃が重くなる」といった症状が起こることもあります。
慢性的なストレス状態では、ストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌が続き、消化機能や代謝の低下にも影響します。心理的な要因が身体に影響を及ぼしている場合、まずはストレスをうまくコントロールすることが大切です。
睡眠不足がホルモンバランスに与える影響
睡眠不足は食欲調整ホルモンのバランスを崩す要因として知られています。睡眠時間が短くなると、食欲を抑制するレプチンの分泌が減少し、食欲を増進させるグレリンの分泌が増加するのです。
一方で、太れない人では睡眠不足による自律神経の乱れから、消化機能が低下し食欲が減退するケースも見られます。
また、睡眠の質が低下すると成長ホルモンの分泌が抑えられ、代謝や体の回復にも影響を及ぼす可能性があります。睡眠不足をはじめとした生活リズムの乱れは、自律神経の不調を招く一因となるでしょう。
健康的に太るための食事対策
体重を増やすために最も重要な要素が「食事」です。ただやみくもにカロリーを増やすのではなく、栄養バランスを保ちながら体重を増やすことが、健康的に太るポイントといえるでしょう。
摂取カロリーの目安を知り、食事回数やタイミングを工夫しながら、栄養素をバランスよく摂ることで、無理なく続けられる食事スタイルが見えてきます。
ここでは科学的根拠に基づいた具体的な実践方法を、わかりやすく解説していきます。自分の体質やライフスタイルに合った方法を見つけて、楽しみながら取り組んでいきましょう。
摂取カロリーの目安を知る
体重を増やすためには、まず自分の消費カロリーを把握し、それを上回るカロリーを摂取する必要があります。消費カロリーは、基礎代謝量と日常生活・運動などによる活動量を合わせた「1日の総消費エネルギー量」で決まります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、年齢や性別、身体活動レベルに応じた推定エネルギー必要量が示されています。
体重を増やすには「摂取カロリー>消費カロリー」の状態を継続することが必須です。目安として、消費カロリーよりも1日あたり300〜500kcalほど多く摂取すると、健康的なペースで増量しやすいとされています。
たとえば、18〜29歳の男性で身体活動レベル「ふつう(Ⅱ)」の場合、推定エネルギー必要量は2,600kcal。そこに300〜500kcalを加えた2,900〜3,100kcal程度が、増量を目指す際の目安となるでしょう。
食事を5〜6回に分けて食べる
一度に多く食べられない人でも、食事回数を増やすことで総摂取量を確保できます。1日3食に加えて、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間に間食を取り入れ、1日5〜6回に分けて食べる方法が効果的です。
これにより、一度の食事量を減らしながら総摂取カロリーを増やせます。
また、食事を小分けにすることで胃腸への負担を軽減し、消化・吸収の効率を高められる点もメリットです。
間食には、糖質を補給できるおにぎりやサンドイッチ、タンパク質を含むヨーグルトやチーズ、エネルギー密度の高いナッツやドライフルーツがおすすめです。
食欲がない時でも、ゼリー飲料やプロテインなどを活用してカロリーを補給しましょう。
主食(炭水化物)を毎食しっかり摂る
体重を増やすためには、最も効率的なエネルギー源である炭水化物(糖質)を毎食しっかり摂ることが重要です。炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、筋肉や脳、神経系の活動を支えるエネルギー源として働きます。筋肉の合成にもエネルギーが必要なため、炭水化物が不足すると効率的に体重を増やせません。
主な炭水化物源には、ご飯、パン、麺類、いも類などがあります。特に白米や玄米、パスタ、うどんなどの主食は調理のバリエーションが豊富で、飽きずに続けやすいのがメリットです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、総カロリーの50〜65%を炭水化物から摂取することが推奨されています。目安としては、1食あたりご飯茶碗2杯程度を目標にすると良いでしょう。
主食をしっかり摂ることで、1日のエネルギーの5〜6割を確保できます。
良質なタンパク質を意識的に取り入れる
体重を増やすためには、筋肉を作る材料となるタンパク質の摂取が欠かせません。タンパク質は筋肉や臓器、皮膚、髪など、体を構成する主要な成分です。
筋肉量を増やして健康的に体重を増やしたい場合は、体重1kgあたり1.5〜2g程度の摂取が目安とされています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」参考)。例えば体重50kgの人なら、1日あたり75〜100gのタンパク質を目標にするとよいでしょう。
肉や魚、卵、大豆製品など、良質なタンパク質源をバランスよく組み合わせることがポイントです。鶏胸肉やささみは高タンパク・低脂質で、100gあたり約20gのタンパク質を含みます。
また、魚類は良質なタンパク質に加え、DHA・EPAといった体に良い脂質も摂取できるため、筋肉量を増やしながら健康的に体重を増やすのに適しています。焼く・蒸す・煮るなど、調理法を変えることで飽きずに続けやすくなる点もメリットです。
タンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーを生み出し、総カロリーの13〜20%程度を占めるのが理想的とされています。ただ太るだけでなく、筋肉をつけて健康的に体重を増やすために、毎食意識的にタンパク質を取り入れましょう。
カルシウムも同時に摂れる乳製品もおすすめ
乳製品は、タンパク質とカルシウムを同時に摂取できる優れた食材です。牛乳は液体なので食事と合わせて飲みやすく、手軽にカロリーを増やせる利点があります。
また、コップ1杯(約200ml)の牛乳には、カルシウムが1日の推奨量の約3分の1含まれており、骨の健康維持にも役立ちます。
チーズやヨーグルトなども良質なタンパク質源であり、間食としても取り入れやすい食品です。特に、乳製品に含まれるカゼインとカルシウムの組み合わせは吸収率が高く、効率的な栄養補給が期待できます。
食事や間食に牛乳・ヨーグルト・チーズを取り入れることで、健康的に体重を増やしながら骨や筋肉の強化にもつながるでしょう。
脂質を上手に活用してカロリーを増やす
脂質は1gあたり約9kcalと、炭水化物やタンパク質の2倍以上のエネルギーを生み出す栄養素です。少量でも効率的にカロリーを増やせるため、健康的に体重を増やしたい人にとって重要なエネルギー源といえます。
摂取カロリー全体の20〜30%を脂質から摂ることを目安にするとよいでしょう。
オリーブオイルやごま油、アーモンドなどのナッツ類、アボカドは良質な脂質を含む食品です。特にアーモンドには、ビタミンE・カルシウム・マグネシウム・食物繊維などの栄養素も豊富に含まれ、間食や料理のトッピングとして手軽に取り入れられます。
料理にオリーブオイルを少量加えたり、サラダにナッツを散らしたりするだけでも、無理なくカロリーアップが可能です。脂質を上手に活用すれば、健康的かつ効率的に体重を増やすことができます。
食事を楽しみながら続ける工夫
健康的に体重を増やすためには、義務感ではなく「楽しみながら続けること」が大切です。無理に食べようとするとストレスがたまり、長続きしません。
栄養バランスを意識しつつも、時には好きなものを取り入れたり、外食を楽しんだりといった柔軟さを持ちましょう。
食事を「楽しみ」として捉えられると自然と食欲も高まり、結果的に摂取カロリーを増やしやすくなります。完璧を目指しすぎず、8割の達成を目標に無理なく続けることが成功のポイントです。
また、体重はすぐに増えるものではないため、焦らず自分のペースで進めることが大切です。定期的に体重を測定して変化を確認することで、モチベーションの維持にもつながります。
食事のタイミングを工夫する
体重を増やすには、何を食べるかだけでなく「いつ食べるか」も重要です。同じカロリーの食事でも、タイミングによって体への吸収率や筋肉の合成効率が大きく変わることが分かっています。
1日の食事リズムを整えることで、エネルギーを効率的に蓄積できます。朝食で体内時計をリセットし、運動前後に適切な栄養を摂り、就寝前に軽く補給する。このような時間的戦略が、健康的な体重増加を後押しするのです。
朝食で1日のエネルギーを確保する
朝食を抜くと1日の総摂取カロリーが不足しやすく、体重増加の妨げになります。名古屋大学の研究では、朝食欠食により体重が増えやすくなるどころか、筋肉量が減少することが報告されています。
朝は食欲がない人でも、バナナやヨーグルトなど軽めのものから始めると良いでしょう。朝食をとることで体内時計がリセットされ、代謝が活性化します。その結果、食事から得た栄養がより効率的に体に取り込まれるのです。
朝食は糖質とタンパク質を組み合わせて摂取すると、より効果的とされています。ご飯と卵、パンとチーズなど、手軽な組み合わせから始めてみましょう。
運動前後の栄養補給とゴールデンタイムを意識する
筋肉を増やすには、運動のタイミングに合わせた栄養補給が欠かせません。特に「運動前」「運動後」「ゴールデンタイム」の3つの時間帯を意識することがポイントです。
運動前の栄養補給
空腹状態で運動すると、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出すため、筋肉量を増やすどころか減ってしまう可能性があります。
運動の2〜3時間前に炭水化物中心の食事でエネルギーを補給しましょう。直前の場合は、バナナなどの消化の良いものを選ぶのがおすすめです。
運動後の栄養補給と「ゴールデンタイム」
運動後は筋肉の修復と成長が活発になる時間帯です。運動後30分〜2時間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、筋肉合成が最も高まるタイミングとされています。
特に運動直後の30分以内は、栄養の吸収効率が高いため、この時間帯での摂取が推奨されます。この時間帯にタンパク質と炭水化物を摂取することで、効率的に筋肉を増やせます。
最近の研究では、筋肉合成は運動後24〜48時間続くことが分かっていますが、運動直後の栄養補給は依然として重要です。すぐに食事が難しい場合は、プロテインドリンク・牛乳・おにぎりなどで素早く補給すると良いでしょう。
朝のタンパク質摂取も効果的
朝食後30分以内にタンパク質を摂ると、筋肉の体内時計が整い、トレーニング効果が高まるといわれています。
運動習慣がある人は、朝・運動前後といったタイミングでの栄養補給を意識すると、筋肉がつきやすい体作りにつながります。
寝る前の軽食で栄養を補給する
就寝中は長時間食事を摂らないため、筋肉の分解を防ぐには寝る前の軽い栄養補給が効果的です。睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、体の修復や筋肉の合成が行われる重要な時間帯です。
このタイミングで適切な栄養を補給しておくことで、より効率的に体を作ることができます。寝る前の栄養補給には、消化に良く胃腸に負担をかけないものを選びましょう。
ヨーグルト、プロテイン、バナナなどが適しています。ただし、寝る直前の大量摂取は胃もたれや睡眠の質の低下につながるため、就寝の1〜2時間前に軽めに摂るのが理想です。胃腸の弱い人は無理のない範囲で試してみてください。
また、吸収がゆっくりなカゼインプロテインやソイプロテインを選ぶと、睡眠中も持続的にアミノ酸が供給され、筋肉の分解を抑えることができます。
プロテインを活用した効率的な太り方
食事だけで十分なカロリーやタンパク質を摂るのが難しい場合、プロテインは強力な補助手段となります。特に食が細い人や忙しくて食事時間を確保できない人にとって、手軽にタンパク質とカロリーを補給できる点は大きな魅力です。
プロテインには通常のホエイプロテインと、体重増加を目的としたウェイトゲイナーの2種類があり、目的に応じて使い分けることが大切です。
ただし、プロテインは食事の代替品ではなく、あくまで補助食品です。日々の食事を基本としながら、不足分をプロテインで補う考え方が健康的な体重増加への近道となります。
また、プロテイン摂取後は筋トレや軽い運動を組み合わせることで、摂取した栄養を効率よく筋肉に変えることができます。
ウェイトゲイナーとホエイプロテインの使い分け
ウェイトゲイナーとホエイプロテインは、栄養成分や目的が大きく異なる製品です。
ウェイトゲイナーは1食あたり300〜600kcalと高カロリー設計で、糖質や脂質を豊富に含み、体重増加を目的とする方に適しています。
一方、ホエイプロテインは高タンパク・低カロリーで、1食あたり100〜150kcal程度。筋肉を効率的に増やしたい方や、すでに十分な食事量を確保できている方におすすめです。
食が細く食事量を増やすのが難しい場合はウェイトゲイナー、食事でカロリーは十分に摂れている場合はホエイプロテインという選択が基本となります。
自分の体質や目標に合わせて製品を選ぶことで、効率的な体重管理が可能になります。
飲むタイミングと適切な量
プロテインの効果を最大限に引き出すには、摂取のタイミングと量が重要です。運動後30分〜2時間(特に30分以内)は、栄養の吸収が活発になる「ゴールデンタイム」とされ、このタイミングで摂取すると筋肉の修復と合成を促進できます。
また、起床直後は睡眠中に消費された栄養を補給する絶好の機会といえます。食事の間隔が空く時間帯(例えば昼食から夕食までの間)に補食として摂取するのも効果的でしょう。
就寝前の摂取も有効ですが、胃腸への負担を避けるため、就寝の30分〜1時間前までに済ませることが理想的です。吸収がゆるやかなカゼインやソイプロテインを選ぶと、睡眠中も持続的にアミノ酸を供給できます。
1回あたりの摂取量は20〜30g程度のタンパク質を目安としましょう。体が一度に処理できるタンパク質量には限界があるため、多く飲めばよいわけではありません。
過剰摂取は内臓への負担となる可能性もあるため、パッケージに記載された用量を守り、自分の体重や活動量に応じて調整しましょう。
食事との組み合わせ方
プロテインはあくまで栄養補助食品であり、食事の代わりにはなりません。食事から炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが基本です。
プロテインは、食事だけでは不足しがちなタンパク質を補う目的で活用しましょう。例えば、朝食が「パンとコーヒーだけ」という場合、そこにプロテインを加えることで手軽にタンパク質を補えます。
昼食や夕食でも、主菜の量が少ないときにプロテインを併用するのは効果的です。
また、食事で炭水化物をしっかり摂った後にプロテインを飲むと、糖質によるインスリンの働きでタンパク質の吸収が促進されます。食後すぐ〜30分以内に摂取することで、食事で得たエネルギーを活用しながら効率よくタンパク質を取り込めるでしょう。
プロテインと日常の食事を組み合わせることで、無理なく必要な栄養を確保し、健康的な体重増加につなげることができます。
プロテイン選びのポイント
プロテインを選ぶ際は、まずタンパク質含有量を確認しましょう。製品によって1食あたり15〜25gと幅があるため、栄養成分表示をチェックすることが大切です。
タンパク質含有率が高い製品ほど、少ない量で効率的にタンパク質を摂取できます。ただし、体重増加を目的とする場合は、タンパク質に加えて糖質や脂質も含む「ウェイトゲイナー系プロテイン」も選択肢になります。
添加物の有無や人工甘味料の種類も確認したいポイントです。国内メーカーの製品は品質管理が厳しく、味や溶けやすさにも配慮されているため、初心者でも安心して選びやすい傾向があります。一方、海外メーカーの製品はコストパフォーマンスに優れたものが多い傾向にあります。
味やフレーバーの選択肢も重要です。継続して飲むものなので、自分の好みに合った味を選ばないと続けられません。チョコレート、バニラ、ストロベリーなど、多様なフレーバーから選べる製品が増えています。
溶けやすさや価格も実用的な判断基準といえます。ダマになりにくく、シェーカーで簡単に溶ける製品が使いやすいでしょう。
1食あたりの価格を計算し、経済的に無理なく続けられる範囲で選ぶことが長期的な成功につながります。例えばホエイプロテインなら、1回あたり約100〜200円が目安です。
筋トレで筋肉を増やす方法
体重を増やすために食事量を増やすことも大切ですが、筋トレによって筋肉を増やすことで、健康的で見た目にも美しい体づくりを実現できます。
筋肉は脂肪よりも密度が高いため、筋肉量が増えると体重も増えやすくなります。初心者でも自宅で始められる基本的なトレーニング方法があり、適切な栄養補給と組み合わせることで効果を高められます。
筋肉量を増やすメリット
筋肉をつけることで、見た目が健康的になるだけでなく、体力や持久力が向上し、基礎代謝もやや高まります。
除脂肪量(筋肉など)が1kg増えると、1日の基礎代謝量が約50kcal上昇するとされ、1ヶ月で約1,500kcal、1年では18,250kcalの差になります。
脂肪で体重を増やすのではなく、筋肉で増やすことは健康面・美容面の両方で理想的です。筋肉は脂肪より密度が高いため、筋肉量の増加は効率的な体重増加につながります。
また、基礎代謝が高まることでエネルギー消費がやや増え、体重を管理しやすい体質へと近づきます。
初心者向けの筋力トレーニング
運動経験が少ない人でも始めやすい、自宅でできる基本的な筋トレ種目を紹介します。
スクワットで下半身を、腕立て伏せ(難しい場合は膝つきでもOK)で上半身を鍛えることで、全身をバランスよく鍛えられます。
週2〜3回、1回20〜30分程度から始め、筋肉痛が残る日はしっかり休むのが目安です。筋肉は休息中に成長するため、毎日同じ部位を鍛えるよりも、間隔を空けながら続けることが大切です。
まずは短時間でも継続を意識し、無理のない範囲で回数や時間を増やしていくことで、長く続けられる習慣が身につくでしょう。
下半身を鍛えるスクワット
人体最大の筋肉群である太ももやお尻を鍛えるスクワットは、筋トレの王様とも呼ばれる基本種目です。大きな筋肉を鍛えることで、効率的に筋肉量を増やせます。
足を肩幅程度に開いて立ち、背中を丸めず胸を張ったまま、ゆっくり腰を落としていきます。太ももが床と平行になるまで下げたら、元の位置に戻す動作を繰り返します。10〜15回を3セット行うのが目安ですが、最初は無理のない回数から始めてかまいません。
膝がつま先より前に出ないように注意しながら、正しいフォームで行うことが大切です。
上半身を鍛える腕立て伏せ
胸、肩、腕の筋肉を鍛える腕立て伏せは、上半身の基本トレーニングです。
両手を肩幅程度(肩に負担がかからない範囲)に置き、体を一直線に保ちながら肘を曲げて体を下ろしていきます。
初心者は膝をついた状態で行う変法から始めると無理なく取り組めます。10〜15回を3セットが目安となりますが、正しいフォームを保つことを最優先にしてください。
体幹を固定して体が一直線になるように意識することで、腕だけでなく体幹も同時に鍛えられます。徐々に負荷を上げていく段階的なアプローチが、継続的な成長につながります。
筋トレ後の栄養補給が大切な理由
「運動前後の栄養補給とゴールデンタイムを意識する」の項目で解説した通り、筋トレ後は筋繊維の回復にタンパク質が必要です。
運動後すぐに摂ることも効果的ですが、近年は1日のトータル摂取量がより重要とされています。プロテインシェイクなど消化吸収が早い形で補給すると、筋肉の回復をサポートできます。
過度な運動を避ける
痩せ型の人が激しい運動を続けると、消費カロリーが増えすぎて体重増加の妨げになることがあります。
適度な筋トレは筋肉増加に効果的ですが、長時間の有酸素運動は大量のカロリーを消費するため、場合によっては逆効果になることもあります。
また、強い運動や栄養不足が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、筋肉分解が促進されることがあります。
筋トレ後は休息日を設けることで筋肉の回復と成長を促すことができます。一般的には48〜72時間の休息が効果的とされており、この期間に筋肉が以前より強い状態になる「超回復」が起こります。
休息を取らずにトレーニングを続けると、筋肉が十分に回復する前に再び破壊され、成長が妨げられる可能性があります。
太るための生活習慣の見直し
体重を増やすには、食事や筋トレだけでなく、日常生活全般の習慣を整えることが欠かせません。睡眠、ストレス管理、腸内環境、記録習慣という4つの要素が、間接的に体重増加をサポートします。
これらは、体の代謝や栄養吸収、食欲に深く影響を与える重要な要因なのです。
生活の質を向上させることで、持続可能な体重増加の土台が築けます。総合的なアプローチが、健康的な増量を実現する鍵となるでしょう。
7〜8時間の睡眠を確保する
睡眠不足は食欲調整ホルモンのバランスを乱し、食欲低下や代謝の異常を引き起こす可能性があります。
睡眠不足は食欲調整ホルモン(レプチンやグレリン)のバランスを乱し、食欲の低下や過剰な食欲を招くことがあります。成長ホルモンは入眠後3時間ほどの深いノンレム睡眠中に多く分泌され、1日の中でも最も大きなピークを迎えます。
就寝時間を一定にする、寝室の温度や照明を整えるといった工夫が、睡眠の質を高めます。睡眠は筋肉の修復や再生に欠かせないため、体質に合わせつつ1日あたり7〜8時間を目安に確保することが推奨されます。
ストレス解消法を見つける
慢性的なストレスは、食欲を低下させる場合があり、体重増加を妨げる要因となります。緊張や不安などのストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れ、胃腸の働きが低下して食欲不振を招くことがあります。
自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。
- 趣味
- 適度な運動
- 瞑想
- 友人との交流
など、心が落ち着く方法を取り入れましょう。
長くストレス状態が続くと、交感神経が優位になって消化吸収が滞りやすくなり、結果的に食事量が減ってしまうことがあります。
ストレスをうまく発散できるようになると、食欲が自然と回復し、健康的な体重増加につながる可能性があります。心身のバランスを整えることは、体重を増やすための大切な第一歩です。
腸内環境を整えて吸収力を高める
腸内環境が乱れると、消化・吸収機能が低下し、せっかく食べても栄養をうまく活用できないことがあります。善玉菌にはビフィズス菌や乳酸菌などがあり、一部のビタミンを作り出したり、消化吸収を助けたりする働きがあります。
発酵食品や食物繊維を意識して摂ることで、善玉菌のバランスを整えるのが効果的です。
- ヨーグルト
- 納豆
- 味噌
などの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。
また、オリゴ糖や食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内の良好な環境づくりをサポートします。
腸の健康が整うことで、栄養の吸収効率が高まり、全身の健康維持や体重増加にもつながりやすくなります。
体重を毎日記録して変化を把握する
毎日同じ時間に体重を測定し記録することで、増減や停滞などの傾向を客観的に把握できます。
起床後にトイレを済ませたタイミングは、体重が最も安定しており、正確な測定がしやすい時間帯です。数値を可視化することでモチベーションの維持や、食事・運動の効果を検証しやすくなります。
毎日の記録は、日々の変化を実感する助けとなるだけでなく、異常な減少などを早期に発見することにもつながります。
愛知県蒲郡市の「体重測定100日チャレンジ」では、参加者の健康意識が高まり、約9割が「今後も継続したい」と回答したと報告されています。
アプリやノートを使った記録方法を活用すれば、継続しやすくなります。こうした自己モニタリングの習慣は、健康的な体重増加や体調管理をサポートする重要な要素です。
体重が増えるまでの期間と継続するコツ
体重を増やす取り組みは、短期間で結果が出るものではありません。焦らず長期的な視点を持って継続することが何よりも大切です。
また、停滞期や挫折を経験することもありますが、これらは体が新しい状態に慣れているサインです。
ここでは、現実的な期間目安や継続のコツ、モチベーション維持の方法について詳しく見ていきましょう。
1ヶ月で増える体重の目安
健康的なペースで体重を増やす場合、1ヶ月で1〜2kg程度の増加が現実的な目安です。
筋肉1kgを増やすには約7,000〜9,000kcalのエネルギーが必要とされており、1ヶ月あたり1〜2kgの増量は生理的に無理のない範囲です。
減量においては1ヶ月で体重の0.5〜1%程度が理想的とされており、増量においても同様に緩やかなペースが推奨されます。
急激な体重増加は、
- 体脂肪が過剰に増える
- 内臓に負担がかかる
- ホルモンバランスが乱れる
といったリスクがあるため避けるべきでしょう。
個人差があることも理解しておく必要があります。基礎代謝や体質、筋肉量によって体重の増え方は異なるため、他人と比較せず自分のペースで進めることが大切です。
3ヶ月〜6ヶ月の長期目標を立てる
健康的な体づくりや筋肉量の増加には時間がかかるため、最低でも3ヶ月、理想的には6ヶ月ほどの長期的な視点で計画を立てましょう。
筋肉量の変化を感じるまでには、一般的に3〜6ヶ月ほどの継続的なトレーニングと栄養管理が必要といわれています。見た目の変化は2〜3ヶ月頃から少しずつ感じ始め、6ヶ月〜1年ほどで実感しやすくなるケースもあります。
長期目標(例:6ヶ月で5kg増)と短期目標(例:1ヶ月で1kg増)を組み合わせることで、達成感を積み重ねながら継続しやすくなります。
無理に短期間で結果を出そうとすると、体に負担がかかり、脂肪増加や体調不良などのリスクも高まります。焦らず、コツコツ継続することが大切です。
停滞期を乗り越える方法
体重増加の過程では、しばらく体重が増えにくくなる停滞期が訪れることがあります。これは体が新しい体重に適応している証拠であり、自然な現象です。
停滞期は、体のホメオスタシス(恒常性維持)という機能によって起こります。体重が変化すると、体は元の状態を保とうとして代謝を調整するため、一時的に体重が増えにくくなるのです。
停滞期を乗り越えるためには、焦らず継続することが最も大切です。食事内容を見直したり、運動強度やメニューに変化をつけたりすると、再び変化が見られる場合があります。
具体的には、摂取カロリーを少しだけ増やす、食事のタイミングを調整する、トレーニング内容を変えるなどの工夫が効果的です。
ただし、停滞期だからといって極端に食事量を増やすのは逆効果で、体が対応しきれず体調不良の原因になりかねません。停滞期は数週間から1ヶ月ほど続くこともありますが、多くの場合は時間の経過とともに落ち着いていきます。この期間も諦めずに取り組みを続けることが、再び体重が増え始めるきっかけにつながるでしょう。
習慣化するためのポイント
毎日の食事や運動を「特別なこと」ではなく「日常の一部」にすることで、無理なく継続できます。習慣化するには平均して66日程度かかるとされており、最初の数週間が最も挫折しやすい時期です。
この期間を乗り越えるためには、決まった時間に食事を摂る、曜日を決めて筋トレするなど、ルーティン化のテクニックが有効でしょう。
小さな成功体験を積み重ねることで、習慣が定着しやすくなります。「今日も3食きちんと食べられた」「今週は筋トレを3回できた」といった小さな達成感を大切にすることが、継続の秘訣です。
また、体重や食事内容、トレーニング内容を記録して進捗を可視化すると、モチベーション維持にも役立ちます。
モチベーションを維持する工夫
長期的な取り組みではモチベーションの浮き沈みがあることを前提に、意欲を保つための具体的な工夫を取り入れましょう。
記録を見返して進捗を確認することは、モチベーション維持に非常に効果的です。体重の変化や体型の変化を写真で記録しておくと、少しずつでも前進していることが実感でき、やる気につながります。
目標達成時に自分にご褒美を与えることも有効な方法です。例えば、1ヶ月で1kg増やせたら欲しかったものを買う、3ヶ月継続できたら好きな場所に出かけるなど、楽しみを用意しておくとモチベーションが高まるでしょう。
SNSやコミュニティで仲間を見つけることも、モチベーション維持に役立ちます。同じ目標を持つ人と情報交換したり、励まし合ったりすることで、孤独感が軽減され、継続しやすくなります。
完璧を目指さず、時には息抜きすることも継続には必要です。毎日厳しく自分を律するのではなく、週に1日は自由に過ごす日を設けるなど、メリハリをつけることで精神的な負担が軽減されます。
長期的な視点を持ち、小さな変化でも喜ぶ姿勢が大切なのです。「以前より体力がついた」「服のサイズが変わった」といった小さな変化に目を向けることで、モチベーションを保ちやすくなるでしょう。
太るために避けるべき行動
体重を増やすことを目指すとき、カロリーを多く摂ればよいと考えがちです。
しかし、誤った方法を続けると、健康を損なったり、逆に体重が増えにくくなったりするリスクがあります。
- ジャンクフード中心の食事
- 深夜のドカ食い
- 早食い
- 過度な運動
- サプリメントへの頼りすぎ
などは、一時的に体重が増えても、長期的には理想的な増量から遠ざかる原因になります。
健康的に体重を増やすためには、こうした避けるべき行動を知り、正しい方法で取り組むことが大切です。
ジャンクフードだけに頼る
高カロリーだからといって、ジャンクフードばかり食べるのは避けましょう。
- ポテトチップス
- ハンバーガー
- カップ麺
などの食品は、脂質や糖質が多く含まれる一方で、ビタミンやミネラル、食物繊維といった重要な栄養素が不足しています。
こうした食事を続けると、体重は増えても筋肉より脂肪が中心になりやすく、生活習慣病や認知機能低下のリスクも高まる可能性があります。
基本はバランスの取れた食事を心がけ、ジャンクフードはたまに楽しむ程度に留めるのが賢明です。
深夜の過度な食事
夜遅い時間に大量の食事を摂ることは、消化不良や睡眠の質低下を招きます。
夜遅くに食べると、食事からとったエネルギーが消費されにくいため、余分なエネルギーは体脂肪として蓄積されやすくなるのです。
夜遅い時間帯はメラトニンが分泌されるため、夕食を遅くするとインスリン分泌が抑制され、血糖値が上がりやすくなることも報告されています。
また、夜の食事が眠る時刻に近すぎると、体温が下がりにくく眠りが浅くなります。胃腸が休むべき時間に働き続けることで、翌朝の食欲不振にもつながるでしょう。
早食いや噛まずに飲み込む
急いで食べたり、よく噛まずに飲み込んだりする習慣は、消化不良や胃腸への負担を増やします。食べ物が噛み砕かれないまま胃に運ばれると、消化に時間がかかり、胃痛や胃もたれの原因になってしまうのです。
早食いをすると、食べ物をあまり噛まずに飲み込んでしまい、唾液による食べ物の消化がおこなわれず、消化の負担が増えてしまいます。
また、唾液の分泌が減ると、消化酵素アミラーゼの働きも弱まります。よく噛むことで唾液の分泌が促され、消化吸収が良くなるだけでなく、満腹感も得られやすくなるのです。
急いで食べるのではなく、ゆっくり味わって食べることが、結果的に健康的な体重増加にもつながります。
無理な高負荷トレーニング
痩せ型の人が急に激しい運動を始めると、消費カロリーが増えすぎて体重が増えにくくなる可能性があります。
高強度運動は、慣れていない状態で行うと怪我のリスクが高まることもあります。一度に激しい運動をすると、ストレスホルモンの影響で体の疲労や回復に影響する場合があります。
継続が困難になっては意味がないため、まずは適度な筋トレから始め、徐々に負荷を上げていくことが安全で効果的です。
サプリメントだけに依存する
プロテインやサプリメントは補助であり、食事の代わりにはなりません。サプリメントだけに頼ると、食事からしか得られない栄養素が不足する可能性があります。
ビタミンやミネラル、食物繊維など、体に必要な栄養素は食事から摂取することが基本です。プロテインサプリメントを過剰に摂取すると、腎臓への負担が心配される場合があります。
市販のプロテインにはビタミンやミネラルが含まれているものもありますが、食事から得られる栄養素には及びません。
食事をプロテインに置き換えることは、栄養バランスを崩すリスクがあるため、あくまで食事を基本にし、サプリメントは補助的に使うことが望ましいでしょう。
男女で異なる体重の増やし方
体重を増やす基本的な考え方は男女共通ですが、ホルモンバランスや体の構造に違いがあるため、効果的なアプローチは異なります。
女性はバランスを重視した全体的な増量が向いており、男性は筋肉を意識した増量が効率的です。性別による体質の違いを理解することで、自分に合った方法を選べるようになるでしょう。
ここでは、男女それぞれに適した体重の増やし方を具体的に紹介します。
女性がバランス良く体重を増やす方法
女性は男性に比べて筋肉がつきにくい体質のため、無理に筋トレに偏らず、食事を中心に全体的に体重を増やすアプローチが効果的といえます。
女性の血中テストステロン濃度は男性の5~10%程度であり、このホルモンの違いが筋肉のつきやすさに影響を与えているのです。そのため、女性は筋トレだけに頼るのではなく、栄養バランスの良い食事を優先しましょう。
カルシウムや鉄分など、女性に必要な栄養素を意識的に摂取することも大切です。これらは骨の健康維持やホルモンバランスを整えるサポートにもなります。
過度なダイエット歴がある場合、まずは健康的な食事習慣を取り戻すことから始めてみてください。急激な変化を目指すのではなく、ゆっくりと体重を増やしていくことが、リバウンドを防ぎ、長期的に健康を維持する秘訣といえるでしょう。
男性が筋肉を意識して太る方法
男性はテストステロンの分泌により筋肉がつきやすい体質であるため、筋トレを積極的に取り入れることで効率的に体重を増やせます。
テストステロンは筋肉の合成や成長に大きく関わっており、男性の精巣で約95%が作られています。このホルモンの働きにより、男性は女性よりも筋肉が発達しやすいのです。
見た目を良くするためにも、脂肪だけでなく筋肉を増やすことを意識しましょう。スクワットやベンチプレスなど、大きな筋肉群を使うトレーニングはテストステロン分泌を促すといわれています。
高タンパク質の食事と筋力トレーニングを組み合わせることで、男性に適した体づくりがしやすくなります。
プロテインやタンパク質が豊富な肉、魚、卵、大豆製品などを積極的に摂取してください。トレーニング後は特に、速やかにたんぱく質と糖質を補給することが、筋肉の回復や成長をサポートするといわれています。
痩せすぎによる健康への影響
体重を増やす必要性を改めて認識するため、痩せすぎがもたらす健康リスクについて具体的に見ていきましょう。
痩せすぎは、免疫力の低下や疲れやすさ、骨密度の低下、女性ホルモンの乱れなど、さまざまな健康リスクと関係するといわれています。
多目的コホート研究事務局が2011年に行った調査では、痩せすぎの人は太りすぎの人よりも死亡リスクが高い傾向にあることが示されています。
もし体調不良や極端な体重減少がある場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。健康的に太ることは、見た目のためだけでなく、将来の健康を守るうえでも大切です。
免疫力の低下と病気のリスク
痩せすぎて栄養が不足すると、体の抵抗力が弱まり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるといわれています。エネルギーや栄養素が足りない状態では、免疫細胞の働きが十分に発揮されにくくなるためです。
その結果、病気からの回復が遅れたり、傷の治りが悪くなったりすることもあります。健康な免疫システムを保つためには、適正体重を維持し、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
疲労感や体力不足の原因
エネルギー不足の状態では、日常生活で疲れやすさや体力不足を感じやすくなることがあります。筋肉量が少ないことも、持久力の低下につながる要因のひとつです。
体重が少ないと筋肉量も減少しやすく、階段の昇り降りや長時間の立ち仕事など、日常的な活動でも疲労を感じやすくなるでしょう。
適切な体重と筋肉量を保つことで、日常生活の質(QOL)が向上するといわれています。運動に必要な筋肉と、病気やストレスに対抗するための体力を維持することが、充実した毎日を送るうえで大切です。
骨密度低下による骨折リスク
痩せすぎは骨密度の低下を招き、骨折しやすくなるおそれがあることが知られています。特に若い時期の栄養不足は、将来的な骨粗しょう症のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。
女性ホルモンのエストロゲンは骨密度を維持する働きがあり、痩せすぎによるホルモン分泌の低下が骨をもろくする一因とされています。
カルシウムやビタミンDを含む食事と、適度な運動を組み合わせることが骨の健康維持に重要です。乳製品、小魚、大豆製品などを積極的に摂取し、日光を浴びてビタミンDの生成を促すことも意識しましょう。
女性のホルモンバランスへの影響
女性の場合、極端な痩せは月経不順や無月経を引き起こすおそれがあります。
体脂肪が少なすぎるとホルモン分泌が乱れ、将来的な妊娠・出産にも影響する可能性もあるのです。思春期の無月経の約60%は、急激な体重の変化やストレスが関与していると報告されています。
個人差はありますが、BMIが17未満になると生理のリズムに乱れが生じやすくなるといわれています。体重が回復すれば月経が再開することも多いものの、長期間放置すると子宮が萎縮したり骨密度が低下したりするリスクもあります。
女性特有の健康を守るためには、適切な体重を維持する意識が大切です。
病院を受診すべきケース
急激な体重減少や慢性的な食欲不振、原因のわからない体調不良が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
甲状腺機能亢進症や糖尿病、消化器系の疾患など、病気が原因で体重が増えにくくなっていることもあります。
甲状腺機能亢進症では代謝が過剰になり体重が減少し、糖尿病では栄養をうまく利用できずに体重が減る場合があるのです。 医師の診断を受けることで、適切な治療や栄養指導が受けられるでしょう。
内科や消化器科、必要に応じて内分泌科などを受診し、原因を特定することが大切です。特に短期間で大きく体重が減った場合や、倦怠感・動悸などの症状を伴う場合は、早めの受診をおすすめします。
